一人一品
最近出会ったお気に入りの言葉「一人一品」。
これは岡山県にあるNPO法人 吉備野工房ちみちさんが掲げている理念です。
どんな人にも、その人だけがもつ「品」がある。
「品」は「ひん」。品物ではなく、品位。
その人が、その人であることの気高さです。
一見、どこにでもあるものも、多くの人が知っていることでも、
その人だけが通ってきた歴史や環境や場所によって、少しずつ違います。
人は、じぶんが持っている品を日々の中で忘れてしまうことがあります。
当たり前すぎて気がつかないことや、品を品と思えなくなることもあります。
でも、おばあちゃんが毎年続けてきた漬物作りの技術も、
おじいちゃんが子どもの頃から得意な竹細工も、
お姉さんの路地裏の美味しいお店に関する情報も、
お兄さんの戦国時代の歴史に対する愛情と知識も、
ぜんぶ、その人の大切な「品」です。
そう考えると、たくさんの品が地域には眠っています。
地域の歴史も、文化も、伝統も。古いものも、新しいものも。
それを愛する人がいる限り、そのどれもが尊い品です。
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